BLOG

あなたは何を始めますか?

4月10日、私はCCB初のDemo Dayのステージに立っていました。

あの日から数ヶ月が経ちました。

それでも、ずっと頭から離れないことがあります。

それは、

「ほとんどの人は始めない」

ということです。


Demo Dayは特別な日でした。

プロダクトが完璧だったからではありません。

プレゼンが完璧だったからでもありません。

何か革新的なものが生まれたからでもありません。

初めてだったからです。

エンジニア、プロダクトデザイナー、プロダクトマネージャーが3ヶ月間フルタイムでチームを組み、一緒にプロダクトを作る。

その成果を発表するのがDemo Dayでした。

でも、私の心に残ったのはプロダクトそのものではありませんでした。

心に残ったのは、彼らが「始めた」という事実です。


何かを初めてやるのは難しい。

本当に難しい。

これで合っているのか分からない。

うまくいくか分からない。

自分にできるのか分からない。

誰もが一度はそんな気持ちになったことがあると思います。

不安。

迷い。

本当にやるべきなのかという葛藤。

そして、多くの場合、その気持ちに負けてしまう。

だから、始めない。


彼らを見ていて、自分のことを思い出しました。

もう10年以上前になります。

当時の私は今とは全く違う道を歩いていました。

シリコンバレーのソフトウェア企業でグローバルディレクターとして働いていました。

キャリアとしては順調でした。

周りから見れば、特に問題のない人生だったと思います。

そんな中、43歳の時に多くの人が理解できない決断をしました。

仕事を辞めて、サンフランシスコのコーディングブートキャンプに通うことにしたのです。

同年代の多くは役員を目指していました。

私は学生になりました。

資格が欲しかったわけではありません。

履歴書に一行追加したかったわけでもありません。

ソフトウェアを「使う側」ではなく、「作る側」を理解したかった。

もっと現場に近づきたかった。

これからの時代に必要になるものを、自分の手で学びたかった。

でも、その決断に保証はありませんでした。

うまくいくか分からない。

その先に何があるのか分からない。

正直、何も見えていませんでした。

ただ一つだけ分かっていたことがあります。

違う未来が欲しいなら、自分から始めなければいけない。

ということです。


数年後、私はある信念を持って日本に帰ってきました。

日本はもっと自分たちでソフトウェアを作るべきだ。

ソフトウェアはIT部門だけのものではなく、企業の競争力そのものになる。

プロダクトを作る力は、これからの時代の重要な経営資産になる。

そう信じていました。

でも、そこにも正解はありませんでした。

本当に日本で受け入れられるのか。

お客様はいるのか。

Code Chrysalisは続けられるのか。

分からないことばかりでした。

振り返ってみると、会社を作ること自体はそれほど難しくありませんでした。

一番難しかったのは、

始めることでした。


だから私は、正解が見えない中で一歩踏み出す人たちに強く惹かれるのだと思います。

Demo Dayで見たのも、まさにそれでした。

彼らは答えを持っていたわけではありません。

最初から専門家だったわけでもありません。

未来が見えていたわけでもありません。

でも、始めた。

そして続けた。

迷いながら。

失敗しながら。

意見をぶつけながら。

何度もやり直しながら。

チームとして前に進んだ。


成長というのは、確信から始まるものではないと思います。

行動から始まる。

私たちはつい考えてしまいます。

もう少し知識がついたら。

もう少し経験を積んだら。

もう少し自信がついたら。

もう少し良いタイミングが来たら。

でも、多くの場合、先に来るのは行動です。

理解は後からついてくる。

やってみるから学べる。

続けるから自信がつく。

遠回りするから道が見えてくる。

それは個人も組織も同じです。


多くの会社が変革を語ります。

イノベーションを語ります。

AI活用を語ります。

でも、本当に始める会社はそれほど多くありません。

前に進む組織が特別に優秀だからではありません。

準備が整う前に動き出せるからです。


だから私はあの日、希望を感じました。

プロダクトが良かったからではありません。

人が良かったからです。

個人がチームになっていく姿。

専門家同士が協力し始める姿。

不安が能力に変わっていく姿。

自分たちでも気づいていなかった可能性を見つけていく姿。


CCB#1の皆さん、本当におめでとうございます。

皆さんが作ったものも素晴らしい。

でも、それ以上に価値があるのは、この3ヶ月で皆さん自身が成長したことだと思います。

そしてこの記事を読んでいる皆さんにも、最後に同じ問いを贈りたいと思います。

始めることは難しい。

昔も今も変わりません。

なぜなら、始めるには決断が必要だからです。

さて、

あなたは何を始めますか?

一覧へ戻る

お問い合わせ

CONTACT

サービスご利用についてのご相談や資料請求は
お問い合わせフォームよりご連絡ください。

Click