今のErikoを知っている人なら、
少し意外に思うかもしれません。
プロダクトを率いるEriko。
いつも落ち着いていて、
何かトラブルが起きても、
「じゃあ、どうしようか」と自然に前を向く人。
そんな彼女にも、
自分が何者なのか分からず、
モヤモヤしていた時期がありました。
前職では12年間、システム開発に携わっていました。
海外出張へ行く機会もあり、現地で名刺交換をすると、よくこんな質問をされたそうです。
「あなたは何をしている人?」
「システムエンジニアです。」
すると、次に返ってくるのは決まって、
「じゃあコードを書くの?」
そこで言葉が止まる。
要件をまとめることも、仕様を書くことも、プロジェクトを進めることもできる。
でも、自分ではコードを書けない。
その瞬間、「会社の名前」を答えているだけで、「自分」を答えられていないことに気付いたそうです。
それから一年近く、その違和感が頭から離れませんでした。
「このままでいいのかな。」
そのモヤモヤが、すべての始まりでした。
Code Chrysalisとの出会いも、実は少し偶然でした。
当時の目的は、プログラミングではありません。
海外出張へ行く機会が増え、「英語を何とかしなきゃ」と思っていたErikoは、当時Code Chrysalisが開催していた「English for Engineers」というプログラムに申し込みます。
ところが、そのクラスは人数が集まらず開講されませんでした。
そこで紹介されたのが、「Foundations」という、英語で学ぶプログラミング基礎コースでした。
もともと考えていたものとは少し違いましたが、
「じゃあ、やってみようかな。」
その一言で参加を決めます。
Foundationsは、とても楽しかったそうです。
そして、その先にあるImmersive Bootcampにも興味を持つようになります。
でも、そこからはすぐには進めませんでした。
英語で3か月。
会社を休まなければならない。
本当に自分にできるのか。
その答えを出すまでに、およそ1年かかったそうです。
あとから振り返れば人生を変えた出来事も、その瞬間はとても自然でした。
大きな決意というより、
「じゃあ、やってみようかな。」
その積み重ねが、今のErikoを作っています。

そして、Immersive Bootcampが始まります。
決して楽な3か月ではありませんでした。
英語でのペアプログラミング。
技術もまだ十分ではない。
何が分からないのかを英語で説明することもできない。
ペアの相手は少しずつイライラしていく。
その空気を感じながらも、自分の気持ちをうまく伝えられない。
「もう無理かも。」
そう思った日もあったそうです。
でも、そのとき助けてくれたのも、同じクラスの仲間でした。
日本語で説明してくれる人。
ゆっくりした英語で教えてくれる人。
Erikoは笑いながら、
「生徒に苦しめられて、生徒に救われました。」
と話してくれました。

卒業後、Erikoは一度、前の会社へ戻ります。
でも、そこには大きな違和感がありました。
Code Chrysalisでは毎日が刺激的で、新しいことを学び続ける日々。
それに比べると、以前は当たり前だった職場の景色が、まったく違って見えたそうです。
「自分は変わった。でも、会社は変わっていなかった。」
その感覚は、もう見て見ぬふりができませんでした。
そんな頃、Code Chrysalisから一本の連絡があります。
「日本語ブートキャンプのインストラクターをやってみませんか?」
もちろん、すぐに「やります」と答えたわけではありません。
自信はない。
でも、少し考えたあと、
「とりあえず、受けてみます。」
そう返事をしました。
面接を受け、本人の言葉を借りると、
「通っちゃった、通っちゃった。」
と笑いながら振り返っていました。
2020年4月。
ErikoはCode Chrysalisへ入社します。
本人は、まずはTAとして少しずつ経験を積むつもりでした。
ところが入社して間もなく、
「メインインストラクター、お願いします。」
準備期間はわずか1か月。
カリキュラムを読み込み、日本語化し、自分自身も理解を深めながら、授業を担当することになりました。
今振り返ると、かなり無茶なスタートです。
でも、この話を聞いていて気付いたことがあります。
この出来事は、特別な一回ではありませんでした。
インストラクターとして経験を積むと、
「今度は、インストラクターを支える役割をやってみない?」
と言われる。
育休から復帰すると、
「カリキュラムをもっと良くしていかない?」
と声がかかる。
やがてプロダクトチームが立ち上がると、その中心メンバーとして携わるようになります。
そして今年4月、そのチームを率いるHead of Productに就任しました。
今では、Code Chrysalisの未来を形づくる一人です。
でも、どの役割も、自分から手を挙げて勝ち取ったものではありません。
誰かが少し先の景色を見て、「Erikoならできる」と声をかける。
Erikoは少し迷いながらも、
「じゃあ、やってみようかな。」
と、その一歩を踏み出す。
気付けば、その少し背伸びした場所が、自分の居場所になっている。
この6年間は、その繰り返しだったように思います。
話を聞いていて、もう一つ面白い発見がありました。
Erikoは、一つ好きになると、とことん夢中になるタイプです。
高校生の頃はヴィジュアル系バンドに夢中で、CDは発売日前日に受け取りに行き、お店に飾られていたポスターまで譲ってもらっていたそうです。
好きなギタリストと同じモデルのギターを買って、文化祭で演奏もしました。

今はスターバックス。
コーヒーそのものより、そのブランドが持つ考え方や空間、ストーリーに惹かれるそうです。
「このスターバックスに行きたいから、この国へ行ってみたい。」
そんな旅の計画まで立ててしまうほど好きなんだそうです。
その好きさを象徴する話があります。
数年前、スターバックスが47都道府県限定のフラペチーノを発売しました。
ちょうどブートキャンプの真っ最中。
もちろん全国を回る時間なんてありません。
そこで思いついたのが、
「みんなが写真を投稿できるアプリを作ればいい。」
というアイデア。
仕事が終わったあと、夢中で作り始め、気付けば二日ほどで完成していたそうです。

「時間を忘れていました。」
その話を聞いていて、妙に納得しました。
Erikoは「努力している」というより、「面白い」と思ったら止まらない人なんだと思います。
面白そう。
やってみたい。
その気持ちが動き出すと、時間なんて忘れてしまう。
仕事でも、それ以外でも、それは変わらないようです。
一方で、本人は何度もこう言います。
「私、ダラダラするの好きなんです。」
家ではのんびりしたい。
料理も得意ではない。
ストレスはできるだけ少ない方がいい。
そんな話を聞いていると、「本当にあのErikoの話かな」と思ってしまいます。
でも、そのギャップもまた魅力です。
本人は「自分から飛び込みたいタイプじゃない」と言います。
それでも、振り返るといつも少し難しい場所に立っている。
そして、その場所を、自分の居場所に変えてしまう。
最後に、「この記事で一つだけ伝えたいことは?」と聞きました。
返ってきた答えは、とても短いものでした。
「変われるよ。」
その一言を聞いて、最初に話してくれた言葉を思い出しました。
「私って何なんだろう。」
あの頃のErikoは、自分に何ができるのか分からなかった。
でも今は違います。
自分の仕事を、自分の言葉で話せる。
自分が積み重ねてきたものに、自信を持てる。
それは肩書きを手に入れたからではありません。
一歩踏み出しては学び、また一歩踏み出す。
その繰り返しが、自分自身を作っていったからです。
人は急には変われません。
でも、小さな「やってみようかな」は、人を思っている以上に遠くまで連れていってくれる。
Erikoの6年間を見ていると、そんな気がします。
だから最後にもう一度。
「変われるよ。」
この言葉は、誰かを励ますためだけの言葉ではありません。
6年前、不安だった自分自身へ。
そして今、同じようにモヤモヤしている誰かへ。
Erikoだからこそ、静かに伝えられる言葉なんだと思います。
お問い合わせ
サービスご利用についてのご相談や資料請求は
お問い合わせフォームよりご連絡ください。